私が苦手なタイプの文章について

例によって例のごとく、やらなければいけない仕事は色々あるのですが、暑さのせいもあってなかなか進まない私です。こんにちは。

早く爽やかな五月晴れのゴールデンウィークにならないかなあ。

 

いまかりに、次のような算数の問題があったとします。

太郎さんは、学校の近くのお店で豆乳を3こ買いました。その後、家の近くのお店で豆乳を5こ買いました。さて、太郎さんは合わせて豆乳を何こ買いましたか。

これに対して、次のように答えたら、不正解になりますよね。残念ながら。

しき:8+3=11

こたえ:11こ

こういうお子さんに出会った時、学校の先生はどのように対応するのでしょうか。親御さんから相談されたら、どのように答えるのでしょうか。

「大丈夫です。お子さんはちゃんと分かっていますから、心配しないでいいです」みたいに答えたりするのでしょうか。まあたしかに、ある意味「分かっている」には違いないのですが。

それはそうと、これと似たようなのって、学術的な文章でもあるのですよね。

「まさか」と思われるかもしれません。では、学術的とは言えませんが、次のような問いと答えのペアはどうでしょうか。

問題:神戸市外国語大学の最寄り駅は何駅ですか。

答え:学園都市駅の周辺は整備が進んでいて、学校、スーパー、銀行、郵便局などがあり、日常生活の中での一通りの用事は済ませることができるようになっています。

こういう感じの学術的な文章は実在します。意外といえば意外ですが、(でも私にはそれほど意外という感じはないのですが、)入門書的な文献で見かけたりします。具体的な例はさすがにここには挙げませんが。

このような文章の特徴は、次のように言うことができます。

  • 結論あるいは主張として提示すべきことを、前提として提示している。そして、その前提に見合った新たな主張を提示している。
  • その結果、問いに対して答えることをせず、 問いから連想された、自分の書きたいことを書いている。

 

それでは、次のようなのはどうでしょうか。

太郎さんは、学校の近くのお店で豆乳を3こ買いました。その後、家の近くのお店で豆乳を5こ買いました。さて、太郎さんは合わせて豆乳を何こ買いましたか。

しき:3+5

こたえ:  

これと似たようなのも、学術的な文章に、あります。

例によって学術的とは言えませんが、次のような問いと答えのペアはどうでしょうか。

問題:神戸市外国語大学の最寄り駅は何駅ですか。

答え:三宮から地下鉄西神・山手線西神中央行きに乗って25分ほどのところです。

たしかにこの答えの通りに行けば学園都市の駅に着きます。ですが、この場合は、はっきりと「学園都市駅です」と答えてほしいところですよね。

こういう感じの学術的な文章は実在しますよね。

このような文章の特徴は、次のように言うことができます。

  • 結論あるいは主張に至る道筋は示しているが、結論・主張それ自体は提示していない。

 

言うまでもなく、ここに挙げたようなタイプの学術的な文章が、私は苦手です。