CGにおけるViewer/Conceptualizerの位置づけ
Langackerの新しい本を読んでいて気がついたこと。
1) viewing arrangement とstage model
p. 74の4行目から5行目にかけて、in the world around them という文言がありました。them は話し手と聞き手なので、つまり話し手聞き手は状況の中にいると解釈されているわけですね。
これはstage modelとどう関係するのだろう、もしかして矛盾するのでは? と思ってp. 357 の図を見ると、Viewer/Ground は何と、settingの中にいるではないですか。つまり、矛盾しないわけです。
念のため FCG2 を確認したところ、p. 285 の図では、Viewerはsettingの外でした。
これは私にとっては重要な、そして好ましい変更です。
2) canoncail/optimal vs. egocentric viewing arrangement
FCG2 には optimal/canonical viewing arrangement と egocentric viewing arrangement という区別があり、一人称代名詞の意味論は egocentric viewing arrangement との関連で展開されていわけですが、新しい本ではこれらの用語が消えたみたいです。
新しい本では default viewing arrangement というのが使われていますが、これは optimal viewing arrangement とはおそらく似て非なるもの (捉えようとしているものが違う)。そしてegocentric viewing arrangement は完全に消えた模様。
ということはまた、一人称代名詞の意味論も、egocentric viewing arrangement とは独立に述べられているということのようです。
これもまた、私にとっては重要な、そして好ましい変更です。