センター試験に関するどうでもいいデータとその解釈

この土日は大学センター試験でした。関係者のみなさま、お疲れさまでした。

さて、一部報道によりますと、「センター試験トラブル続発 リスニング、93人やり直し」とのことです。

http://www.asahi.com/articles/ASG1L6HDRG1LTIPE01T.html

この「続発」したトラブル、実際どの程度ひどいものだったのでしょう。リスニングを例に考えてみたいと思います。(一部の皆さまには「またか」的なネタではありますが。)

トラブルの発生割合は、実際、何パーセントくらいだったのでしょうか。


こちらの報道によりますと、

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1802H_Y4A110C1CC1000/

リスニングを受験した人は「51万9176人」です。そのうち、再開試験を受験することになった人は、「計93人」です。割合を計算するとどうなるでしょうか。パーセントは次の計算式で求められます。

93 ÷ 519176 × 100 =

計算すると、「0.02 パーセントより低い」となります。実際の数値は「0.01791300 ...」ですが、あまりに細かい数字を考えても意味がないので、まとめて「0.02 パーセントより低い」でいいでしょう。まさに「続発」です…か?


ここから言えることは、次の2つです。

○ リスニング試験のトラブルは、日本全国のどこかで、必ず発生する。

○ でも、その割合は極めて低い。


「必ず発生する」というのは、やむをえないことです。50万件を超える事象でトラブルが1件も発生しないとしたら、それは「素晴らしい」というより、「誰かが何かを隠蔽している」と考えた方がいいと思います。

そして、実際の発生率はきわめて低いわけです。

これよりはるかに事故の発生率が高くても、とくに報道されないことは世の中に色々ありそうです。(報道されないので分かりませんが。)

ちなみに、私の勤める大学で、リスニングの再開試験が過去にあったかと言えば、ありました。去年、私の担当した教室で。一緒に監督していた先生方が適切に状況に対応され、再開テストは問題なく実施されました。

まあ、そのような状況です。

大事なのは、以前どこかでよく目にした「正しくこわがる」ということなのだと思います。