「分からないことがあったら、質問してもらえばいい」のか?

もう何年も教務関係の仕事はしていないのですが、むかし「教務委員」という委員になっていたとき、仕事の一つが年度替わりに行われる非常勤講師の先生との顔合わせ会の企画でした。今の大学でも、前任校でも、毎年行われている行事です。

これ、どういうふうにするか、実は迷います。というか、迷わない人もいるかもしれないけど、すくなくとも私は迷いました。大多数の、何年も続けて来ていただいている先生と、少数だけど毎年必ずいる新任の先生では、必要な情報が違うのです。新任の先生に必要な基本的な情報はベテランの先生には分かりきったことなので、毎年それをくどくどと説明すると「もう来なくていいや」ということになります。かといって、基本的な情報を提示せずに先生相互の懇談ないし情報交換に終始したら、新任の先生とっては困るでしょう。

こういうとき必ずと言っていいくらいに出てくるのが、「ベテランが多いので、分かりきったことをわざわざ説明する必要はない。新任の人には分からないことがあったら聞いてもらえばいい」という意見です。

う〜ん… 以前書いたことにもつながりますが…


質問ができるということは分かっているということなのですよね。分からないことは質問もできない。何が分からないかも分からない。


こう言ってみても、実は意外と通じません。何言ってるの? という表情が返ってくることがあります。そこで例の、いつもの話をします。


学会発表とかで、いちばん鋭い質問をするのは、話の内容を一番よく分かっている人ですよね。


これでやっと、すこし分かってもらえます。

そしてさらに…


新任の人に分からないことをばらばらに質問されて、それにいちいち答えるくらいだったら、最初からまとめて説明しちゃった方が早いです。


これで分かってくれる、かな。

教務委員の先生はそろそろ準備をはじめてるのかな。