説明項と被説明項

一部ではよく知られていることですが、ジュンク堂にはマモノが棲んでいます。昨日も、買うつもりのなかった次の本を思わず衝動買いしてしまいました。

http://www.kagakudojin.co.jp/book/b103239.html

本全体のコメントはいつか気が向いたら書くとして、昨日途中まで読んだ範囲に出てきたことで、今日別件との関連で痛切に感じたことを書いておきます。それは、説明項と被説明項をごちゃごちゃにしないこと。

著者の菊池氏は、疑似科学の一つの特徴として、被説明項としての現象が事実であることを確定する前に、なぜそのようなことが起こるのかという説明項の提示に走る、ということを挙げています。

でもって今日、それとの関連で何を感じたかと言うと、某アブストラクトなので疑似科学ではなくて言語学なのですが…思わずこんなことを叫びたくなったのです。

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あなたはその道具立てでいったい何を説明しようとしているのですか!? 被説明項としての言語事実をきちんと提示してくださいっ!

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いやまあ、もちろん、被説明項が何かというのはアブストラクトのタイトルに示されているわけですが、ちゃんと具体的に現象を提示してくれないと、ということで。

そしてそれを思いながら、何年か前のとある人とのかみ合わない会話を思い出したりもしました。

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私: あなたの発見したこれは今まで知られていない現象だけど、重要なことなので、事実をきちんと記述して報告するだけで十分に意義があると思います。

その人: わたしはなぜそうなるかを発表したいのです!

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もちろんその人の研究も疑似科学ではありませんが。

などということを思ったのでした。

ちなみに菊池氏の当該の本、アマゾンでは評価が分かれていて、「5」「4」をつけた人と「1」をつけた人がいます。「1」評価のレビューを見ると…やっぱりこうなっちゃうんですね、という感じ。

http://www.amazon.co.jp/dp/4759813489